リンパ浮腫はがん治療の後遺症と言える症状のことで、腕や足などに浮腫の症状が出てくるもののことを言います。
むくんだとしても軽度の人は運動や食事制限などを気をつけて行うことで悪化を防ぐことも可能です。
しかし放置しておけばそのうちよくなるものではなく、一度症状が発症してしまうと治すのはなかなか難しい症状です。
したがって早期発見が重要となってくるのですが、人によっては放置することで重症化してしまうことも珍しくありません。
では、重症化した場合、いったいどのような症状が出てくるのでしょうか。
リンパ浮腫治療は早期発見でより効果が高まります
リンパ浮腫治療は食事制限や運動など日常生活の見直しだけでなく、圧迫療法なども行われています。
そうすることによって重症化を防ぐことができるからです。
ただ、実際にはリンパ浮腫自体は初期の段階では自覚症状がないので、なかなか気づかないということも少なくありません。
初期の場合は、少し静脈が見えにくくなるとか、静脈の見え方が左右で違っているなどの症状だからです。
ただし自覚症状が全くない段階でも、なんとなく見た目が違うからといって気づいた場合は、かなり軽度なので治療自体も日常生活の見直し程度で十分だと言われることも少なくありません。
また、治療を行うことによって今後の重症化も十分防ぐことができるため、早期発見によって適切な時期に治療を行うことができれば、そのリンパ浮腫治療の効果は十分高まるといえます。
浮腫が出てきたら中程度の症状
リンパ浮腫はその名前から、浮腫が出てくるというのは容易に想像することはできるはずです。
とはいえ、浮腫が出てくるということはすでに中程度の症状といえ、決して軽度というわけではありません。
ただこの段階でやっと気づくという人は非常に多く病院に相談にくる人も増えてきます。
この場合、軽度の時とは違い圧迫療法なども併用することになる場合が多いのですが、適当に圧迫してもその効果を高めることはなかなか難しいため、医師の指導の下で正しく行う必要が出てきます。
また、少しくらいむくんでいたとしても気にならないという人は、浮腫が出てきたり疲れが出てきたとしてもまだ病院に行かずに放置してしまうということもあり得ます。
その場合はより浮腫が大きくなり、以前と比べると皮膚が硬い状態になったり、なかなか浮腫が良くならない、腕が動かしにくいという状態になってしまう場合もあります。
実はこれが重症化した状態といえます。
また、一般的にリンパ浮腫自体は痛みがないと言われていますが、重症化すると痛みを感じたり違和感を覚えたりする人も増えてきます。
さらに、リンパ浮腫自体はただ単に浮腫を発症するだけでなく、皮膚が乾燥してしまうという症状も出てきます。
乾燥した皮膚は伸縮性が足りなくなってしまい、その結果浅いひび割れが起きてしまうこともあります。
このひび割れによって肌のバリア機能が低下すると、細菌に感染しやすくなってしまいます。
また虫刺されだけでも炎症が足や腕全体に広がってしまうこともあるほどです。
さらに合併症として蜂窩織炎を起こしてしまうこともあります。
蜂窩織炎は赤い斑点が出たり、38度以上の熱が出る、皮膚が赤くなったり痛くなるなどの症状が報告されています。
リンパ浮腫を重症化させないために
リンパ浮腫を重症化させないためには、まずは適切なケアを日常的に行うこと、さらに定期的に医療ケアを受けることが重要になってきます。
この症状自体は手術を受けてからすぐに発症する人もいますが、術後10年程度経過してから発症する人もおり、どのタイミングで症状が出てくるかということがわかりません。
ただし、標準体重を維持するとか、皮膚を清潔に保ち、保湿にも心がける、さらに重い荷物を持たないなどに気をつけることで、予防することも決して不可能ではありません。
また圧迫しやすい衣類にも注意し、できるだけ体を締め付けないようなタイプのものを利用します。
つまり、正しくスキンケアをすること、さらに必要に応じて医療ケアを正しく受けることでリンパ浮腫の予防もしくは重症化を防ぐことにもつながります。
初期症状がほとんどないリンパ浮腫は、中程度の状態になってからようやく症状に気づく人も少なくありません。
さらに症状がそれほど気にならないからといって放置すると悪化してしまうことも多々あります。
重症化した場合は感染症の危険が増すだけでなく、本来はほとんど感じることのない痛みを感じたりすることもあり得るのです。また蜂窩織炎を発症する可能性も出てくるため、重症化しないように気をつけなければなりません。
悪化させないためには正しいスキンケアを行うこと、さらに体重を増やし過ぎないこと、そして医療ケアを受けることなどが必要です。